私が建築の道をえらび、専門学校を卒業して就職と言うより見習いに入ったのが、北小松の工務店でした。プレカット(工場加工)が進むなか、まだ手加工による伝統工法での仕事をされている数少ない工務店です。自分の親よりも年の差がある親方で何人もの弟子を育ててこられた棟梁にふさわしい人でした。もう教えるのもお前が最後やと、よく言われていました。親方の年の事もあり、少しでも早く役に立ちたい、楽になってほしいと思い、ノートを作り必死で勉強しました。おかげさまで、親方のためにという気持ちが、一人前になって自分のためになったと思います。親方を尊敬、そして感謝します。
建築士の免許を取り、デザイン、建築材料の勉強をしていて思ったのですが、これらには参考書や教科書があるという事。
つまり ...
基本的には職人の技術と知識には教科書はないということ。職人はもっと自信と誇りを持つべきだと思います。自分の信念と時代の流れをつかみ、いい仕事ができる環境を自分で創ることが大事だと思います。
これは建築に於いて原点であり、デスクワークだけでは語れない本物の家づくり、理想的な家づくりがそこにあると思っています。
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